梅野 太輔 教授

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    教授 梅野 太輔
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研究キーワード

進化分子工学 , 生体高分子,酵素と生合成、バイオセンサ,デバイス遺伝学,合成生物学

研究内容:進化合成生物学による分子機能と協働形態のデザイン学

私たちは,生体高分子を主素材とする分子素子の開発を行っています.タンパク質は,分子認識素子(センサー)としても,触媒(酵素)としても,構造材(ナノ材料)としても,その他の物質系には実現できない次元の性能を発揮します.官能基レベルでは,平凡な彼らが別格の性能を示すのは,「進化する」という特別な性質を持つからです.我々は,分子進化工学という技術を用いて,今まで不可能であった数々の化学プロセスの実現を目指しています.

[Topics-2] Laboratory evolution of biosynthetic pathways.
複数の酵素が正しく協働すると,多段階の化学合成を一気貫通に行う「全生合成」経路が現れます.我々は,人工酵素を組み合わせ,天然物を超える「超天然人工分子(色素,薬物,分子デバイス)の生合成経路に再デザインする研究を行っている.自然界で起きた代謝経路の進化を遡る「生合成の実験進化学」研究も行っている.

[Topics-3] 分子センサ/スイッチと集積回路の進化デザイン
細胞は,内外の分子情報を感知・判断し,適切な応答挙動を示します.我々は,それを可能とする分子スイッチ・センサー素子の創出研究を行っています.また,自作した人工の分子スイッチを複数組み合わせ,複雑な演算・判断機能を創出する研究も精力的に行っています.

[Topics-4] 進化の進化?
進化分子工学(2018年ノーベル賞)が世に出て四半世紀.すでに様々な分子創出技術として社会実装されています.しかし,38億年間地球生物が堅持してきたダーウィンプロセスが最高の分子探索アルゴリズムとは限りません.我々は,in silico 進化とin vivo進化を統合し,さらに超高速な分子機能の「進化」アルゴリズムの開発にも取り組んでいます.

略歴

  • 1994年 九州大学工学部応用化学科卒業 1998年 同大学院 工学研究科 分子システム工学専攻 博士課程修了・博士(工学)
  • 1999年 カリフォルニア工科大学 化学工学科 博士研究員 (Frances H. Arnold Group)
  • 2003年 ワシントン大学シアトル校 病理学科 シニアフェロー (Larry A. Loeb Group)
  • 2005年 千葉大学 工学部 共生応用化学科 助教授
  • 2019年 千葉大学 工学部 共生応用化学科 教授
  • 2021年 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 教授

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。