高分子合成、機能性高分子、有機デバイス、エネルギー変換・貯蔵、相分離・自己組織化
プラスチック、ゴム、繊維など身の回りにある汎用材料から二次電池、太陽電池、スマートフォンなどの高機能デバイスまで高分子材料は私たちの社会を支え、発展させていくのに欠かせない材料です。高分子化学部門では西出教授、小柳津教授とともに次世代エネルギー技術(蓄電池、太陽電池等)に関わる機能性高分子を中心に研究展開しています。
電子・光物性をはじめ新しい機能性高分子の創出には、主鎖や側鎖部位など一次構造の設計だけでなく、分子間相互作用や自己組織化に基づく高次構造、相分離・界面構造の形成やその配向性など、ソフトマターとしての振る舞いを考慮した分子・材料設計が不可欠です。異種高分子をつなぎ合わせたブロック高分子もその1つで、高分子同士の好き嫌いに基づき織りなされるナノ寸法の模様(ミクロ相分離構造)は多くの研究者を魅了してきました。工学的にも「相界面の精密構築」は次世代リソグラフィー、光電荷分離界面、選択イオン透過膜、多孔性材料など世界中で注目を集めるトピックの1つです。
私の研究では精密重合技術を基盤に、独自の手法で(a)相界面への機能部位の配置・創り込み、(b)速度論的制御による類例のない高分子ナノ構造の形成に挑戦しています。同時に実社会への波及も見据え、「ややこしい構造を簡便に」作り出すことを意識して(c)光重合やその場(in-situ)重合を展開しています。応用例としてはメモリ素子、光学フィルム、親疎水性を制御したスマートコーティングなどです。新しい高分子材料の開発を通して社会に貢献することを目標としています。