門間 聰之 教授

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研究キーワード

電気化学エネルギーデバイス、二次電池、燃料電池、電気化学プロセス、電気化学的評価

研究内容

電気化学反応を探求してエネルギーデバイスを革新する

電気化学反応を利用した蓄・発電デバイスに関し、その材料設計と評価、界面制御、システム構築、デバイス特性評価を行っている。リチウム二次電池、燃料電池に関し、高性能化のための界面構築と界面電気化学評価手法の開発研究を進めている。現在・将来の携帯用小型電子機器の発展に伴い、その電源として小型電源には飛躍的な進化が望まれている。電力消費機器に搭載し、化学反応エネルギーと電気エネルギーの直接変換を行う電気化学デバイスは、化学反応から取り出すことのできるエネルギーを、電気エネルギーを消費する機器まで導くために、①効率の高い電気化学反応、②内部抵抗の低減、③長寿命、④安全性の確保、⑤費用と生産性が重要な検討課題である。このような課題に対し、①新たな電極材料の開発、②イオン移動と電子移動を考慮した電極・デバイス構造設計と製造プロセス、③新たな電解質材料の探索により将来型の二次電池・燃料電池の実現が可能となる。

リチウム金属を負極に用いるリチウム金属二次電池は高いエネルギー密度が期待され、実用化にむけて安全性確保が重要課題である。リチウム金属表面の改質や添加剤の適用による特性向上、また安全性が期待される高分子電解質の適用研究を行っている。これらの検討では、表面・界面の詳細な評価および電気化学的な特徴を明らかにすることが必要であり、交流インピーダンス法の適用と評価プロトコルの検討を進めている。

湿式析出法を用いた新たな電極材料の開発も行っている。リチウムと電気化学的反応で合金化・脱合金化が進行する金属の検討から、有望な負極合金材料を見いだしている。この負極材料の電気化学反応の解析、反応による構造変化の追跡を行い、さらなる特性改善へ向けた界面形成方針へとつなげるための基礎的な知見を収集している。

二次元の界面の評価から、三次元構造を有する電極/電解質系の評価へとさらに研究を展開している。湿式析出法を用いた電極材料形成として微粒子形成や鋳型を用いたメソ構造電極形成を行い、二次電池および燃料電池系への応用とエネルギー変換反応特性評価を行っている。また、三相界面を持つ電極・電解質複合体の評価を行い、電気化学エネルギーデバイスの発電・蓄電反応を電子、物質移動と電荷移動のそれぞれの素過程に分離評価して機能材料開発へとフィードバックしている。

電子移動、電荷移動、物質移動のバランスのよい材料の開発、構造の作りこみを通して、電気化学エネルギーデバイスの特性向上へ繋げます。このためにそれぞれの反応素過程の分離評価を進めています。

略歴

  • 1990年 早稲田大学 理工学部 応用化学科 卒業、1995年 早稲田大学 大学院理工学研究科 博士後期課程修了・博士(工学)
  • 2010年より早稲田大学 理工学術院 准教授。
  • 2014年より早稲田大学 理工学術院 教授
  • 電気化学会 進歩賞,佐野賞を受賞。

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。