今、僕がここにいるきっかけは、中学生の頃に環境問題についてTVや新聞でさかんに取り上げられ始めた時、そうかこれだって思ったことからなんです。高校に入ってもその思いは変わらずに、大学に入ったら詳しく勉強してみようかな、面白そうだなって思ったんです。環境に関する研究って、必要とされている感じですもんね。自分が問題解決して、みんなから「すごい」って思われたい気持ちもあったし、昔から人に喜んでもらえることが好きだったんです。誰かのために、みんなのために、っていうのが好きなんです。そしてそれが自分も楽しいと思えることだったら最高ですよね。
研究室の配属が決まって、僕がこれからやることは、菌の検出。例えば、有用な菌がそこにちゃんといるかどうか、簡単に検出できるようにする研究です。これは水環境の廃水処理研究から発展してきたテーマなんですけど、もとは医学研究で考えられたものなんです。例えば、ほんの少量採取した血液から、ウイルスに感染していることが分かったりします。今までの原理に改良を重ねて、効率的に反応させ、今の大きな装置をもっと小さくすることが目標ですね。科学者って、科学の視点から未来を見られるっていうのがすごいと思います。他の人が想像もしないことを、想像することができるんですよ。今、そういう状況にいられること、そして、もしかしたら自分にもそういうことができる可能性があるっていうのは、なんか、いいですよね。
(2002年度インタビュー。学年は当時のものです。)