株式会社ブリヂストン 青木康平
(西出・小柳津研究室 2014年3月修士課程修了)
大学時代、研究室に訪れていた海外の研究者との異文化交流、英語を使ったコミュニケーションがとても有意義で楽しかったのを覚えています。モノづくりに興味があったこともあり就職活動の軸は、「グローバル」、「メーカー」、そして専攻の「化学」と決めていました。ご縁がありブリヂストンに内定をもらい、現在はタイヤのトレッドゴムと呼ばれる路面に接地するゴムの配合開発を担当しています。
初任配属は、お客様にタイヤを安定供給するための製造現場の生産性・品質向上をミッションとする製造技術部門に配属されました。採用面接の際に海外で働きたいと猛アピールした甲斐があってかは分かりません、新工場の生産ライン立上げのため、1年目はハンガリー、2年目はロシアへの各1か月間の海外業務を経験することができました。海外拠点の立ち上げにやりがいを感じると同時に、グローバルに働きたいという夢が叶ったことにとても満足しています。異文化交流の魅力に気づかせてくれた大学の研究室生活は私にとってかけがえのない経験です。
現在は大学で学んだ化学の知識を活かしたいという思いから、社内の公募制度にてゴム配合の開発部門へ異動し、モータースポーツ向けタイヤの開発を担当しています。開発成果がレース順位に反映されるため、他社対比タイムメリットのあるゴムを設計できた時はとてもやりがいを感じます。大学の研究テーマは、須賀先生の班で「ポリマーと機能性材料によるモルフォロジー制御と有機デバイスへの応用」でした。偶然にもタイヤ用ゴムもポリマーとカーボンブラック、軟化剤など機能性材料との複合体であり、モルフォロジー制御がポイントです。研究室で学んだ知識や考え方を活かしながらタイヤ性能の向上に向けて仕事に取り組んでいます。
学生の皆さんは、これから大学、学科、研究室、就職活動など多くの選択の場面を迎えることと思います。未来は選択を重ねて少しずつ変化して行きますが、どの道を選んだとしても大学での経験や人間関係はどこかで繋がり、役立つものだと信じています。ご自身の選んだ道に自信をもって突き進み、皆さんの学生生活が充実したものになることを祈っています。